アーン・アウト・ディール(Earn Out Deal)とは企業買収の対価を一括で支払うのでははなく分割払いで行う契約のこと。まずは50パーセントなどを支払い、利益目標の達成に伴い残金を支払うといった方法が採られる。買い手にとっては調査不能な事項等に対するリスクを軽減できたり、買収資金を抑えられる可能性があることから有用な手段と考えられている。また、追加代金の支払い義務のことをアーンアウト(Earn Out)と呼ぶ。

海外企業が日本企業を買収すること。

日本企業が海外企業を買収すること。

日本企業が日本企業を買収すること。

企業買収における主たる企業評価方式のひとつで、収益価値を基準とするアプローチのこと。将来獲得されるリターン(利益、キャッシュフロー、配当)を現在価値に還元評価し、企業価値・事業価値を算定する。

税引き前利益に、支払い利息、減価償却、のれん代償却、特別損益などを加えた利益。国によって異なる会計基準や法人税などの影響をできるだけ排除して算出した利益で、国際的な企業や他国の同業他社を比較・分析するための指標の一つ。

企業の合併、買収のこと。M&A自体はここ数年活発に行われているが、とりわけ2005年に行われたライブドアのニッポン放送株の敵対的買収を機に、広く一般にも知られることとなった。

企業買収の形態のひとつで、企業や事業部門の経営者や幹部社員が、当該事業の継続を前提として、既存オーナー(株主や親会社)から株式もしくは営業資産を買い取って、経営権を取得する方法のこと。敵対的買収の防衛や子会社が独立する際に用いられる。

企業買収手法のひとつ。ある企業を買収する際、買収資金を買収対象企業の資産価値や今後期待されるキャッシュフローを担保として借入金を調達、企業買収を行う。この手法を使えば、買収時に自己資金が少なくても買収が行える。

株主総会又は取締役会において、重要議案を否決できる権利を与えられた特別な種類株式で、拒否権付株式ともいう。敵対的買収防衛策の一つとされ、敵対的買収者が出した提案を株主総会で否決してもらうことができる。

投資ファンドやベンチャーキャピタルなどが投資の条件として取り付ける、投資先の経営に関与する権利のこと。

会社の事業部門の全部又は一部を、他の会社に包括的に継承させる手法。承継する会社の違いによって、新設分割(事業に関する権利義務を、新しく作る会社に承継させる)と吸収分割(既存の会社に承継させる)に分けられる。

完全親会社を新たに設立するための組織再編方法。単独または共同して完全親会社となる会社を新しく設立し、その設立した会社の株と自社株を交換する。株式移転を行う場合、既存の会社は新会社の100%子会社となる。

複数の企業が一体化する手段。「新設合併」と「吸収合併」の2種類に分類される。「新設合併」では、全ての合併当事会社が解散して、新たに設立する会社に全ての権利義務を承継させる。「吸収合併」は、合併当事会社1社だけが存続会社として残り、それ以外の合併当事会社は存続会社に吸収される。

その企業全体の価値のこと。企業価値の計算手法としては、大きく分けると、コスト・アプローチ、インカム・アプローチ、マーケット・アプローチの3種類がある。

M&Aの交渉を進める中で、買手と売手の間で基本的な点において合意がなされた段階で、合意内容に関して文書化し、当事者間で取り交わす書類のこと。レターオブインテント(Letter of Intent、LOI)とも言われる。

交渉の末、買手と売手が条件面での合意に達して最終契約を締結した後で、契約に従って資産等の引き渡しや対価の授受を行うこと。

M&Aにおける企業価値評価方法の一つで、会社が保有する資産および負債から企業価値を評価する。

契約内容に盛り込む制限条項あるいは制約条項のこと。一定期間(例えば契約締結から受渡しまでの間)、一定の義務を負うこと、もしくは行ってはならないことなどを契約書の内容に盛り込む。該当する条項に違反した場合には損害賠償責任を負うことがある。

吸収合併の一形態で、会社が子会社を通じて別の会社を合併する手法。合併される側の会社の株主に対しては、当該子会社ではなく、親会社の株式が対価として割り当てられる。外国企業が日本企業を三角合併した場合、日本企業の株主は外国株を受け取ることになる。

相乗作用のことで、1+1が2を上回るような作用をもたらすことをシナジー効果(相乗効果)という。M&Aにおいては、統合によって新たな付加価値が生み出される相互補完によるシナジー、重複するコストの削減を図るシナジーなどの効果が発生する。

会社の特定の事業に関する財産を他の会社に譲渡したり、会社丸ごとを譲渡したりすること。会社分割と似ているが、厳密には会社法上の組織再編手法にはあたらないこと、単に事業を売買するという「契約」であるという点で相違する。

完全子会社化を目的としたM&Aにおいて、売却に応じない株主の保有する対象株式の全部を、その株主の個別承諾を得ることなく取得すること。手法として、全部取得条項付種類株式または株式の併合による調整、株式等売渡請求、金銭を対価とする合併・株式交換による組織再編がある。

会社の資金調達方法の一つであり、株主であるか否かを問わず、特定の第三者に新株を引き受ける権利を与えておこなう増資のこと。

財務内容が悪化している企業の収益性のある事業を会社分割または事業譲渡により切り分け、新設法人または既存の法人(第二会社)に承継させ、不採算事業や債務が残った移転元法人を、その後特別清算などを用いて整理することによる企業再生手法。

M&Aにあたり、対象会社またはその事業についての実態を把握し、問題点の有無を把握するために行う事前調査。「DD」と略される。ビジネスデューデリジェンス(ビジネス面の調査)、財務デューデリジェンス(会計面の調査)、税務デューデリジェンス(税務面の調査)、法務デューデリジェンス(法的な側面の調査)、人事デューデリジェンス(労務面の調査)、ITデューデリジェンス(ITシステムの側面の調査)などがある。

のれんとは、企業のもつノウハウやブランド力、特殊な技術などの無形資産を指し、会計上、のれんとして連結貸借対照表ないし貸借対照表に計上される。M&Aにおいては、被買収企業(または被買収事業)の純資産額(時価)と実際の買収対価との差額がのれんとなり、その企業(または事業)の超過収益力を評価したものとされる。

M&Aにおいて、社名を伏せた最低限の情報を記載した簡単な企業概要書のことをいい、通常、秘密保持契約締結の前に提示されるもの。