ご成約事例

旅館×ブライダル

コロナ禍でもM&Aを決意。お客様への「感動体験」が生んだ奇跡のシナジーストーリー。

譲渡企業

桐のかほり 咲楽

譲受企業

株式会社小野写真館

ご成約インタビュー

譲渡企業

〜桐のかほり咲楽 代表 萩原良文〜

事業を売却しようと思ったきっかけを教えてください

平成18年(2006年)咲楽を開業いたしました。当時、私は55歳でした。65歳で息子たちに経営を譲り、後方支援に回る予定でした。
年齢が来て、2人の息子たちと話し合いましたが、2人共現状の勤務生活を変えたくないとのことで咲楽の後継を拒否されました。それは、現代の若者と我々団塊の世代の人生観の違いにあるように思います。私たちの時代では、長男は家業もしくは家を継ぐことは暗黙の了解事項でした。
しかし、現代の若者は家(親)を取るか嫁(家族)を取るかといえば、嫁(家族)を取ります。
旅館業というのは、週末や国民の休日に忙しい商売です。したがって、子供と過ごす時間が持てないのが実情です。旅館を取るか家庭(子供)を取るかといえば、家庭を選ぶ時代です。
私たちの思いは、生まれ育ったこの地で代々繋がっていけるこだわりの宿の繁栄でしたが、個々の人生観・個人の生き方までは、変えられないと思い家族への承継をあきらめたところです。
廃業をも考えたところですが、リピートしていただいているお客様方からいつまでも続けてほしいとのお声を頂き、事業承継の道を模索する決断をいたしました。

スターパートナーズを選んだ理由

それは、M&Aのお誘いの1通のDMからでした。
関心があるため、返信をしたところ数日後には、担当の方がお越しいただきました。
想像しておりました、不動産関係者とは違い物腰の柔らかい一見頼りになるのか疑問符(失礼)の担当のイメージでした。
早速、2020年の6/20に、アドバイザリー契約を結び、お客様をご紹介いただきました。その時点で前述のイメージは払しょくされ、なかなかのやり手だと思いました。
たった4室の宿ということで、経営的に難しい案件であるにも関わらず、最後まであきらめない精神力に感銘を受けました。
何よりも、買い手様と売り手の間にあって、売り手側の気持ちに寄り添っていただいたことに御社を選んでよかったと心から感謝しております。

今回のM&Aで大変だったこと

7/26に譲渡に関する意向表明書を頂戴し、8/19基本合意、9/26本契約、10/1引渡しと目まぐるしいスピードで進行いたしました。
基本合意後は、営業許可取得のため保健所・消防署の調整、温泉権の引継ぎや予約システム関係はじめソフトの引継ぎ、電話・水道・電気・ガス・環境委託業務等々の名義変更、引継ぎ事務に多忙を要したところです。
9月中旬からは実際の宿泊体験、料理の伝承、温泉の管理の引継ぎ、お客様のお迎え・おもてなしの研修、お客様お帰り後の清掃メンテナンス研修等々10/5まで続きました。
開業時も忙しかった記憶がございますが、今回の事業承継につきましては事務的な煩雑さに、さらに実地の引継ぎ業務が加わることで、大変な作業でした。
これで終わりとは言えず、当分スムーズな運営がなされるまで、出来る範囲でのご支援を考えております。

小野写真館さんとの出会いの印象

7/10に小野社長様自ら内覧にお越しいただき、翌日にはご覧いただいたご感想と前向きで熱い思いをメールで頂戴いたしました。
社長様の、本気度と熱意を強く感じたところです。
小野写真館様の企業理念は、世界のお客様に「笑顔」「幸せ」「感動」を連鎖させることと知りました。
咲楽の目指してきたものは、お客さまが、来た時よりも「笑顔」でお帰り頂くこと。そして、あらゆるおもてなしによって、お客様に「感動」していただくこと。咲楽に来てよかったと感じていただくことです。
小野写真館様とは、同じサービス業とはいえ業種が違いますが、共通ともいえる理念と目指す方向性が同じと知って、驚きと感銘を受けたところです。

譲受企業

〜株式会社小野写真館 代表取締役 小野哲人〜

今回の事業買収に至るまでの経緯を教えていただけますか。

コロナにより、弊社は莫大な損失を被りました。特にブライダルの披露宴部門は深刻で、CX(コーポレートトランスフォーメーション)で会社をゼロから再構築する事に決めました。
私達の既存事業は「ブライダル事業」「振袖&袴レンタル事業」「フォトスタジオ事業」ですが、小野グループは写真屋でも、ブライダル屋でも、衣装レンタル屋でもなく、「感動体験」創出業に昇華していく事を決断。
感度体験創出業に会社をゼロから創り変える事が「CX(コーポレートトランスフォーメーション)」です。
弊社「CX」第一弾が、宿泊事業の進出になり、過ごして頂く時間の体験価値向上を通じて、新しい価値観を生み出していきます。

コロナ禍でも買収の決断に踏み切れた理由を教えてください。

コロナ禍だからこそ決断できた。
弊社は「フォトスタジオ」「ブライダル事業」「振袖レンタル事業」を行う、茨城県に本社を構える会社です。
コロナで世の中が激変しました。私達は実際何者なんだろうか?と深く問いてみた時に、私達は「写真館」ではなく、「感動体験」を生み出す会社なんだと再認識しました。
実際にブライダル事業で大打撃をうけたため、このままでは弊社の本業が下降していく可能性が高く、実際に人が集まる結婚式披露宴や、成人式に関して将来的に不透明感を感じた。
そのため会社をゼロから作り直すCX(コーポレートトランスフォーメーション)として、新たなる産業への挑戦の決断ができた。また、今年年初(ビフォーコロナ)に「小野写真館3.0」という概念を打ち出し、10年後に「結婚式」や「成人式」「七五三」がなくなる可能性を感じていた矢先のコロナで、私達が10年かけて行うべき取り組みを爆速で行う必要性が出てきたことも、決断できた一因です。

今後、咲楽をどのように展開されていく予定ですか?

当然小規模高級旅館として、本質的にしっかりと運営をしていく事は前提だが、小規模旅館だからこそ可能な「貸し切り」モデルで、家族だけの結婚式や、還暦、七五三、成人式の祝など、宿泊型の「祝」の新しいスタイルを構築していきたい。
その他にも、経営者合宿、友人グループでの貸し切り、高所得者向けの旅館一棟貸し切りの需要を作り出していく。
「咲楽」で1つの事業モデルが確立できれば、今後も同様の小規模旅館やホテル等を買収し、次なる弊社に新規事業として成長させていきたい。